不動産コンサルティング 

不動産コンサルティング実務について

第1章 不動産コンサルティングの初動段階 1-2

2. 業務委託契約
(1) 概要調査
A. 調査の目的

 ここでの調査は、第2章「調査」における物件や市場の詳細な調査と異なり、見積書作成を目的としたものです。そのために、次の観点から調査を行います。
① 依頼者から聴取した事項の確認
② 調査・分析・企画の難易度の判定
③ 企画提案書作成のために要する作業量の見積もり
④ 依頼者の相談に沿った不動産コンサルティングが可能かどうかの判断

B. 依頼者の要望の確認

 上記の調査を進める中で、対象地における適正な事業のイメージのほか作業量(上記③)や難易度(上記④)についてある程度感触を把握でき次第、要望を聴取し、次の事項等を確認します。
① 事業計画の形態・種類(賃貸マンション2種類と賃貸事務所1種類など)
② 資料・図面の種類・精度・数量
③ 等価交換等の事業手法の検討の有無
④ 作業内容及び作業量
⑤ 企画提案の前提条件(測量、近隣、許認可、資金調達計画など)
⑥ 提案期限等のスケジュール

(2) 費用・報酬の見積書の提示
A. 見積書の位置付け

 企画提案型コンサルティングの手続要件の一つとして「事前説明」が必要であり、その内容は「依頼者がどの程度の情報内容を求めているかに応じ、事前に業務の範囲・内容、費用・報酬額の見積書等を提示・説明し、報酬に関して依頼者の理解と納得を得ること」とされています。

B. 見積書の様式

 様式は特に定められたものはなく、任意のものとなるが、最小限記載すべき項目としては次のものが挙げられます。
a. 調査実費
b. コンサルティング報酬
c. 弁護士、税理士、設計事務所等への支払費用
d. その他案件に応じて必要な特別経費

C. 留意すべき事項

a. 想定される作業量と作業日数を前提としての見積もりであることを明確にし、変更があり得ることを明示しておく。
b. 作業スケジュール表を作成・提示し・依頼者が日程と作業内容を具体的にイメージできるように配慮する。
なお、次の文章は見積書の一例です。

不動産コンサルティング業務の見積書(一例)

(3) 業務委託計画の締結

 依頼者との間で見積書の内容について合意が得られた後、業務委託契約を書面で締結します。
その際、次の点について明確に定める必要があります。なお、業務委託契約書の文例は次ページ以下のとおりです。
① 業務内容
② 文書による提案の方法及び提出期限
③ 報酬額と支払時期・方法
④ 契約期間、契約解除等に関する事項
⑤ 他の業務が発生するときは、その取扱方法

不動産コンサルティング業務委託契約書(案)